NAIST受験記録2021

はじめに

 どうもnamekosiruです.今回は奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)・情報科学区分博士前期課程2022年度春入学の方を受験し,見事合格したのでそれについて書いていこうと思います.

目次

NAISTとは

NAISTとは奈良先端科学技術大学院大学の略称で,その名の通り奈良県にある学部を持たない大学院です.IPS細胞を作った山中教授などが在籍していました.分野は情報・バイオ・物質の3つに分かれています.大学院から専攻を変える人や社会人博士の人を多く受け入れている印象があり,私も専攻を機械から情報に変えたいと思い受験しました.

対策編

GPA

大学時代勉強をさぼっていたためGPAは平均2.5程度でした.NAISTの入試では事前書類だけで50点ほどあるので高いほどいいと思います.ただ,書類のどの点を評価しているのかは明記されておらず,個人的には大学名やGPA,情報科出身ならば情報科特有の講義の評価などを総合的にみて判断していると思います.

研究室訪問について

筆記試験の対策も必要ですがここの大学を受けるならば研究室訪問が一番大切だと思います.NAISTの入試には小論文と面接があるのですが,小論文を作成する際に行きたい研究室の教授や院生に添削をしてもらうのが王道となっているので必ず行った方がいいです.また,入試当日の面接も第一希望の研究室の教授と行うのであらかじめ面接以外で自身がどのような人間であるのかを知ってもらうチャンスになります(入試の合否に直接かかわるかは不明). 行きたい研究室が分からない場合ややりたい研究がない場合でもNAISTのホームページを見て雰囲気がよさそうな研究室の教授にアポを取るといいと思います.訪問を通じて自分自身が本当にやりたいこと研究室選びにおいて大切にしたいことなどが見えてくると思います.

NAISTは大学院しか持たないということもあり,外部生に対して非常に親切です.NAISTのHPのコンテンツの充実度や教授のメール返信の速さなどからそのように感じます.

数学

オンライン入試だったため以前の方式を知らないのですが,今年に関しては解析(微積分)・線形代数がそれぞれ一問出題されます.PCの前で画用紙を用いて試験官に説明しながら解いていくといった感じです.他の受験生のブログを見ていると問題は複数用意されていて,時間帯や番号によって変えて出題しているように感じます.

問題自体の難易度はそこまで高くないように感じます(1問しか解けていませんが....).私の場合は解析は和積の証明,線形代数は相似の証明が出題されました.和積は教科書にも載っているような簡単な問題でしたが,線形の証明がまったく手が付きませんでした.計算問題が出なかったあたり,マセマのような公式を覚えて解くのではなく式の本質を理解してほしいという大学からのメッセージなのでしょうか...

試験の雰囲気自体はとてもやさしく,解けなくても試験官がヒントや説明をしてくれるので受験生の数学的能力を測ろうとしている姿勢が見受けられます.問題を解けることよりも「試験官にしっかり説明する」,「数学の基礎的な能力を示す」などができていれば良い気がします.

英語

TOEICを提出しました.スコアは750点です.2020年の12月ごろから友達と勉強を始め2月の試験を受けました.入学時点のスコアが435点だということを考えればよい結果なのではないでしょうか.

小論文

6月の第一週に提出だったのですが,4月から始まった研究室がとても忙しくしっかり書けませんでした.多分他の受験生よりも小論文の質は低いと思います.小論文には「学生時代勉強したこと」・「本学に入学してから取り組みたい研究」の二つを書くのですが,普通は2つ目の取り組みたい研究に重点を置いて書くみたいです.私の場合は6月の時点である程度実験ができ,進捗が進んでいたので1対1の比率で書きました.希望先の研究室の先輩もの割合が良いとおっしゃっていたのでそれぐらいがよいのではないでしょうか.ただ,「今の研究が忙しく,これからの研究なんて考えてられねえよ!!」という方もいると思うのでその場合は比率を変えて書いてもよいと思います.

「小論文ってどう書けばいいんだ!!」という方については行きたい先の研究室が出している論文を読まれるとよいと思います.研究室のHPに詳細を載せているのが大半ですのでタイトルなどをgoogle scholarscopusなどを用いて探しましょう.5-6本読めばその研究室でどのような研究を行っているかわかると思うのでそれらを参考にして書き始めればよいと思います.8割くらい出来上がったらすぐに添削の方をお願いしましょう.すぐに小論文がペン入れだらけで帰ってくるのでそれを修正して添削をお願いするといったことを3回ほどやればある程度の小論文にはなると思います.

面接

爆死したので大したアドバイスはできないのですが,私の場合は入ってからの研究についての質問が多かったです.覚えている範囲では

  • なんでNAISTに入りたいの
  • この物体を追跡する手法ってどんなのがあるの
  • この機構ってウェアラブルにするの
  • 人の移動を追跡するってことだけど質点で考えるの剛体としては考えないの

などを質問されました.どの質問に対してもうまく答えられず,「入ってから研究したいです」・「難しいですけどその辺も課題にしたいです」・「専門外なのですこしわからないんですけど○○○○だと思います」みたいに答えてました(よく受かったな..).私の専門が機械ということもあり,「これまでの研究について」の部分について質問しづらかったため2つ目の「入学後の研究」に質問が集中したのかと思います.何はともあれ面接対策はしっかり行いましょう

その後

 見事合格!!なんで受かったのかわからないくらい微妙な出来だったのでとてもうれしかったです.落ちた場合も想定して東北大学や北陸先端・滋賀大学なども考えていたのですが杞憂に終わりましたね.ただ一つ言いたいのがNAISTのブログなどには大体合格しました系の記事が多くあるので受験者の皆さんはNAIST必ず受かるものという認識を持ちがちですが落ちる人もいるということを忘れないようにしてください.NAISTの情報系の倍率は2倍ほどになっているので二人に一人は落ちています.なので対策を怠らずしっかりと勉強をしてください.NAISTの試験は受験生にしっかりと向き合うようになっているので対策した分だけその分点数に反映しやすいと思います.また,落ちてしまった人もあきらめずに他の大学院やNAISTの2回目など検討してみてください.

 

何か質問があればこの記事に書いてくだされば質問にお答えしたいと思います.